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自治体コモンズとは

「空家等対策の推進に関する特別措置法」への対応

2014/12/02

空き家が適正に管理されていないために、倒壊、建築部材の飛散、敷地への大量のゴミの放置、雑草の繁茂など、住民の住環境に深刻な悪影響が発生している 問題、いわゆる「空き家問題」の解決策として、近年、空き家の適正な管理を所有者等に義務付ける条例(以下「空き家対策条例」)が多くの自治体で制定さ れています。
その動きを受けて、国において議員立法で「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下「措置法」)が制定されました。平成27年5月中には全面的に施 行されます。
  両者は内容がとても似かよっているので、すでに空き家対策条例を制定している自治体においては、措置法施行後は、空き家対策条例をどのように運用してい くか判断に困ると思います。
また、措置法は、空き家の所有者に対して、撤去命令などの行政処分(公の施設の使用許可などの「形だけの行政処分」ではなく、本当の意味での権力的な行 政処分)を行う権限を自治体の規模を問わず、すべての自治体に与えています。少なくとも町村では、実際に行使する可能性が十分にある行政処分の権限を法 律から与えられることは、恐らく初めてではないでしょうか。この点においても、現場では、混乱がおきかねませんね。
  このように、措置法の施行に当たっては、十分な準備が必要です。今回は、措置法への対応についてみなさんと議論していきましょう。

2: くすのき

2014/12/08 08:48:49  大半の空家条例と空家法は内容の骨格が同じです。助言・指導→勧告→命令基本的には、空家条例を廃止する必要があると思います。

3: 北法研 パピコ

2014/12/08 22:29:44 法律ができたら同じ内容の条例を残してはだめなのですか?
いま空家条例で指導等している自治体は困ると思います。
先に条例ができてすでに業務しているのですから、廃止する必要はないと思いますけど。

4: くすのき

2014/12/11 14:05:31  実際に執行する場面を考えてみてください。
 この件は、空家法で指導、あの件は空家条例で指導、などという「曲芸」をする必要があるでしょうか。

5: 北法研 パピコ

2014/12/12 20:44:14 やっぱり条例は廃止ですかね・・・
確かに空家法と空家条例はよく似ていますね。

町村もこの法律を執行することになりますが、事務をするにあたり
まずは処分基準からしっかり検討する(定める)必要があると思いますが
いかがでしょうか?

6: くすのき

2014/12/15 14:55:09  そうですね。空家法では「著しく保安上危険」など、あいまいな基準が曖昧ですからね。処分基準が必要ですね。
 しかし、法施行後すぐには事例もないので難しいと思います。
 しばらくは、個別具体の判断によるしかないですね。

7: 北法研 パピコ

2014/12/16 18:55:28 著しく保安上危険な空き家として指導していくために、まずが最初に著しく保安上危険な空き家がどれか決めなければなりませんが、この事務の際、著しく保安上危険な空き家と指定する行為は必要ですか?
条文には指定について書かれていないみたいですが・・・

8: くすのき

2014/12/17 16:22:53 指導や命令とは別に「指定」という行為は前提とされていませんね。
実務上は、指導や命令の対象として特定空家等を把握しておく必要がありますが。

9: 北法研 パピコ

2014/12/17 17:48:16 住民の立場からすればある日突然役所から指導が入り、命令をかけられるまで弁明もできないということですね。役所側は実務上は警告の前に、お知らせと是正のお願いのような通知をしてあげる必要があると思います。

10: bottom

2014/12/19 12:00:11 少し話がそれますが、空家等の所有者等に対する措置命令の実効性確保の手段として、制裁的公表を規定している空き家条例があります。
法には、このような公表規定はないようですが、条例で制裁的公表の規定を残すことはできないのでしょうか?

11: くすのき

2014/12/22 08:40:21 法14条の11項に命令した場合の公表規定のようなものがありますね。
また、公表は不利益処分ではないとされていますが、実質的には不利益処分的に扱われていますね。ですから、法にない公表規定を条例に残すことは適当ではないと考えます。

12: bottom

2014/12/22 20:17:29 法14条の11項の規定は、命令したことの公示ですが、そうではなくて命令に従わなかったときの制裁としての公表の規定は残せないのでしょうか。
残すことは適当ではないとのことですが、法が命令の実効性を確保する担保として「過料」しか規定していないので、条例でそれとは別の制裁手段として公表の規定を設けることは法違反になるということでしょうか?

13: くすのき

2014/12/24 16:44:59 公表を単に制裁としてのみ使用することは違法だと考えます。
実定法の根拠があるわけではありませんが、「義務に違反したら氏名を晒す。」は、
違法な人権侵害ではないでしょうか。

14: bottom

2014/12/24 19:57:46 なるほど。議論の分かれるところかもしれませんね。
それと、ちょっと関連することですが、法14条では、景観上の観点からの措置はできないようになっていますが、空き家条例のなかには景観上の観点からの措置を規定しているものもあります。
このような場合も、条例を廃止したほうがよいのでしょうか?
景観の部分だけに特化した条例に改正するという手法もあるのかなと思ったりするのですが・・・・。

15: くすのき

2014/12/26 09:20:16 空家法が制定されたことを踏まえて、なお、その必要があるか、を再考すべきですね。
条例を制定したときは、おそらくそこまで、慎重に検討していない(とりあえず、景観も入れておこう?)のではないでしょうか。

16: bottom

2015/01/06 20:21:48 そうですね。安易なもの(他自治体の条例の引き写しなど)もあるかもしれません。
ただ、そうではなくて、例えば、空き家だけでなくて空き地も対象にしている条例も散見されます。
このような場合は、規制対象が異なることから、空き家部分だけを条例から削除して、「空き地対策条例」として残すことになるのでしょうね。

17: bottom

2015/01/06 20:24:02 連投ですいません。
法第14条で、市町村長は、所有者又は管理者に対して措置命令ができるようになっています。
しかし、建物所有者の特定は容易ではないように思います。
財産的価値のある土地建物であれば、相続等も明確にされ、登記と実態が一致していることが多いのでしょうが、空き家として放置されているような建物やその底地については、相続登記もされず、相続人が十数人、場合によっては数十人になっていることもあるのではないでしょうか?
実務上は、このような場合に管理者をどうやって特定するのか、また、相続人調査をどこまで行うのか、といった問題があるように思います。

18: くすのき

2015/01/07 08:30:11 所有者が不明の場合には
①命令手続を省略できるいわゆる簡易代執行を行う。
②即時強制を行う。
 ことが考えられます。
 ①は代執行法の例外なので条例では規定できません(空家法14条10項)。
 ②は条例でも可能ですが、所有者が判明しても費用を請求することができませんね。

19: くすのき

2015/01/08 17:12:55  費用を自治体が負担して即時強制を行うことについては、住民の理解は得られませんね。よって、空家条例に即時強制の規定を置くことは適当ではないと考えます。

20: たこら

2015/01/14 12:00:34 はじめまして、お邪魔いたします。
空き家条例は悩ましいところですね。
本来であれば、既に制定している条例の規定のうち法と同じ内容のものについては、法の規定とまったく同じ文言にして確認規定であることを明確にし、法に定めのない内容のものについて条例で独自制度として定めるといったように改正すべきだと考えますが、実際には何ら改正せずに放置する自治体が多数派でしょうね。

条例による独自制度としては、既に話題に上がっている即時強制と氏名公表が一般的でしょうか。

自治体の費用負担で即時強制をするかどうかについては、たとえ公費負担としても住民のためには危険を除去すべきと判断するかどうかという政策判断によるかと思います。
もしくは、条例による原因者負担制度の創設も可能と考えたうえで、即時強制の場合も所有者等に費用請求(原因者負担金の徴収)ができるとする規定を設けるか。
(ただ、実効性があるかは疑問です。)

氏名公表については、自治体が条例で法律上の義務違反に対するペナルティを定めることについて消極に解する立場からは、空家対策法による命令違反に対して条例で氏名公表を規定するべきではないと考えます。
ただ、条例上の義務違反に対して条例でペナルティを定めることは可能ですので、条例で空家の適正管理義務を規定したうえで、この義務違反に対する制裁として氏名公表を規定することは可能と考えます。
もっとも、制裁としての氏名公表を認めることが前提となります(ここは判断がわかれるところでしょうね)。

21: くすのき

2015/01/16 15:38:24 >条例による原因者負担制度の創設も可能と考えたうえで、即時強制の場合も所有者>等に費用請求(原因者負担金の徴収)ができるとする規定を設けるか。
>(ただ、実効性があるかは疑問です。)

 私も消極に解します。
 「世の中のしくみ」に関することは法律でしか決められません。
 この点につき、法律と条例は法としての性質が違います。

>たとえ公費負担としても住民のためには危険を除去すべきと判断するかどうかとい>う政策判断によるかと思います。

 これも、無理、というよりも、行うべきではないと考えます。
 公費負担をするくらいなら、被害者が費用を負担するか、あるいは、引っ越すべきではないでしょうか。

 

22: 北法研 パピコ

2015/01/18 01:25:48 スミマセン。公表について質問してもよろしいでしょうか?

公表規定を条例に残すことを検討されている自治体も多いと思いますが、
空家措置法では公示の規定がありますので、
①空家措置法が「特定危険空家の公表」については第14条11項公示の規定で
充分と考えている
(公示以外の公表は必要無い⇒条例で法律を上回る規定を設けれるのか)
②公示する事項(国土交通省令)に氏名、住所が盛り込まれたら実質空き家条例
の公表と同じ規定になる
③そもそも危険な空家を所有しているだけで
(まだ実質的な被害がでていないのに)
制裁的に氏名を公表するのは比例原則から考えて行きすぎでは?
No13くすのきさんが書かれているとおり「違法な人権侵害」では

①については私の勝手な思い込みですが、②③も含めて空き家条例に
公表規定を残すのは厳しいかなと思いますがいかがでしょうか?

23: くすのき

2015/01/21 13:11:54  パピコさん
 そうですね。
 ご意見のとおり、必要性、適法性の双方から、条例による公表は、必要ない(違法な)規定だと考えます。

 あえて付け加えることがあるとしたら、
 「法律の規制をかいくぐって必要だと考える規定を設ける(消極的な合法性の確保)」のではなく、「法律の趣旨や規定を活かす(積極的な合法性の確保)」という姿勢が求められるのではないかと考えます。

 「条例による即時強制で費用を徴収することはできない。」のではなくて、「条例による即時強制で費用を徴収することは正しいことではない。」と理解できないものでしょうか。

 

24: たこら

2015/01/21 14:56:01 法14条11項の「公示」は、同条3項による命令をしたことを公示するものですね。
もう命令をしているので、制裁的な意味合いはないのではないでしょうか?
(命令違反を理由として公示するものでもないですし)
条例で規定されいてる氏名公表の多くは、命令に至る前の、勧告の実効性を高めるためのものではないでしょうか。
つまり、「勧告→命令」となることを避けるために、「勧告→氏名公表→それでもダメなら命令」としたいのだと思います。
できるだけ行政処分を避けようとするものです。
命令違反に対する氏名公表なら義務違反に対する制裁といえるのですが、(行政指導に過ぎない)勧告に従わないことを理由として氏名公表するので、違法のおそれがあります。
この点、条例で空家の適正管理義務を定め(法では努力義務どまり)、この義務に違反したことを理由として氏名公表をすると構成することも可能ではあります。
ただ上智大の北村教授が仰るとおり「少々無理をする解釈」ではあります。

25: 北法研 パピコ

2015/01/23 16:53:52 勧告の段階でも公表は情報公開の一環として、周囲の人にこの空家は倒壊の危険がありまよ。気をつけてください。というペナルティではない標識の設置はできると思います。ただしその標識に所有者の氏名を載せたりは危険情報提供の観点からは氏名は必要ないので難しいですかね?

あと空家法と条例の目的が同じ場合でも、上記のように
勧告の段階でペナルティとしてではなく危険
情報提供の公表規定を条例に設ける(法の上乗せ)ことに問題はありますか?

26: くすのき

2015/01/23 20:42:41 私は、条例で制裁を目的とした公表を規定することはできないと考えます。
条例というローカルルールが作り出す義務(つまりは、他の自治体では義務ではない)についての違反が、「指名を晒す」という制裁に見合うだけの悪性を持つとは到底考えられないからです。
条例における公表は、建前としては住民への情報提供に限られると考えます。

情報提供であれば、いわゆる「上乗せ」の問題外です。規制ではないのですから。
しかし、空家法が規定していない公表を空家条例で規定することの正当性はないと考えます。
空家法が規定していないという事実を
①空家対策に公表規定を置き、結果として氏名を公表することはやりすぎではないか。
②そもそも、空家対策に公表規定は効果がないのではないか。
を再検討するきっかけとすべきですね。

27: 北法研 パピコ

2015/01/24 00:42:28 確かにそうですね。情報提供であるのなら条例の規定も必要ありませんね。
条例の規定で危険情報提供の看板を立てると所有者に連絡するだけで効果があるかもしれませんね。

28: 北法研 パピコ

2015/01/24 12:20:45 ↑は情報提供だけなら条例の規定は不要。ただし空家の敷地内に標識を立てる場合は条例の規定が必要では?と言う意味です。(金曜日の夜で飲みすぎていまして、いま読み返してみたら意味不明でした)
条例で公表規定を残す場合は危険情報提供しかできないと思います。
この危険情報提供の中に氏名を入れる理由(必要性)を考えられれば実質制裁的な公表に
なりますけど(23クスノキさんが言われている消極的合法性の確保ですが)いかがでしょうか?

29: くすのき

2015/01/26 13:58:23 特定空家(危険空家)の所有者情報が住民にとってどのような価値があるか、ですね。
普通に考えれば、住民自らが自己の安全を確保するために所有者と交渉するための情報として有用だと評価できるのですが・・・。

30: くすのき

2015/01/28 08:34:33 関連して。
最近は見かけなくなりましたが、「公表」、「代執行」、「罰則」などの法令の規定をまるで機会の部品のように捉えて、組み合わせて条例をつくる法務研修が流行りましたよね。これは、条文を作る研修であっても法を創る研修ではないですね。
安易に「公表(を規定)してはどうか」、などという発想は、改めなければなりません。法令による権限委譲や自主条例の制定が進んでいる今、憲法的価値(基本的人権の保護)を学ぶことこそ法務研修に必要だと思いますね。

31: 北法研 パピコ

2015/01/29 22:20:16 憲法的価値を身につけることが、コモンセンスを磨く近道ですね。

空き家法の規制と基本的人権の保護でポイントとなるのが特定危険空き家の
定義(どの程度の空き家が特定危険空き家なのか)と思いますが
それを見極めたうえで既存の空き家条例に公表規定を残すことを検討するほうが
良いのではと思います。

32: くすのき

2015/02/02 08:25:18 次の論点ですが、
空家法は、①適正管理義務②指導③勧告④命令⑤代執行
というしくみですが、
空家法は①が努力義務になっています(3条)
つまり、義務なきことに行政指導を受けて、それを守らなかったら、行政処分を受ける、というしくみです。
行政手続上(やや)問題があると考えます。また、そうでなくても、住民に説明しにくい(空家の適正管理は義務ではありません。でも、守らなかったら命令します!)と考えるのですが如何ですか。

33: 北法研 パピコ

2015/02/03 17:01:17 建築基準法などでいきなり命令規定が出てくることがあります。
(建築基準法9条、消防法3条、5条)


空き家法も特定空き家になった時点で指導、勧告の対象となるのではない
でしょうか?
3条の努力規定は当たり前のことを確認的に書いたものであり、3条を根拠に
行政指導するものではなく、14条の特定空家になった時点で行政指導の対象
となるのではと思います。


消防法では火災を起こさないは当たり前のことなので義務規定がありません。
ただし、火災予防上危険な場合は命令ができます。
それと似ていると思います。

34: くすのき

2015/02/05 16:25:50 >3条の努力規定は当たり前のことを確認的に書いたものであり、3条を根拠に
>行政指導するものではなく、

 確かに、行政指導には根拠は必要ありません。また、違反行為に対してではなくとも行うことができますね。

 空家条例は、義務違反に対する指導、つまりは本来ならば義務違反なので命令できるにもかかわらず、指導しているので問題はありません。むしろ、被命令者にアドバンテージを与えています。
 
 しかし、空家法は義務がないことへの指導(指導自体は適法です。)に従わなかったことを理由として命令を受ける(ここが問題!)しくみなのです。

 当然の義務であっても命令や代執行を受ける要件である以上、義務としてあえて規定するべきだと考えます。

 でも、パピコさんのご指摘のように「義務なきことへの命令」規定は立法例としてはありますね。

35: くすのき

2015/02/05 16:34:31  次の論点です。

 命令後に特定空家の所有権が移転した場合、再度の命令が必要でしょうか?

 この点につき、建築基準法9条の命令は、再度の命令が必要だとされています。
その理由は、

9条1項:「この法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主(略)に対して、当該工事の施工の停止を命じ、(略)必要な措置をとることを命ずることができる。」

 「この法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、」という「対物命令」であることが明示されているからです。

 空家法には同様の規定がないので、原則どおり、新所有者への命令が必要だと考えます。

36: 北法研 パピコ

2015/02/05 21:31:23 くすのきさんのNo34のご解説、納得です。
確かに義務も無いのにあるレベルになるといきなり命令を前提とした行政指導や
命令をするのは住民には納得のいかないものでしょう。
No32のとおり住民にはわかりにくい(従いたくない)ものですね。
ですので、現行法のままでいくのであれば特定空家とはどのようなものなのかを
しっかり決めて、住民にアナウンスする必要もあると思います。
(先日自治会の会議で、うちの空家担当課長が特定空家の説明がうまくできず、自治会長に千本ノック喰らっていました)

命令後に特定空家の所有権が移転した場合は再度の命令が必要と思います。
新所有者を名宛人として再度命令をしないと、命令を履行する人がいないまま
代執行へ進んでしまいますし、行政手続きの観点からも新所有者への弁明等の
機会を付与できなくなります。

37: くすのき

2015/02/09 10:40:25  パピコさま。
 「千本ノックの対策として「空家法の条例化」が有効だと思います。
 以下に、空家法の論点とあわせて意見を述べます。

【空家条例は廃止すること】
 空家法が制定された以上、同様の内容を持つ条例は不要だと考えます。

【空家法の条例化】
 空家条例における「管理不全な空家等」を空家法の「特定空家等」として空家法を執行することによって空家条例を制定している自治体においても空家法を「自分たちのルール」として使いこなすことはできると考えます。
 特定空家等の定義は多義的「著しく」ですから。

【空家条例と比較した空家法のメリット】
空家法では、代執行法における代執行の要件が緩和されています。また、税情報の利用が可能となっています。これは、空家「条例」ではできないことです。

【空家法の代執行要件は本当に緩和されているのか】
しかし、空家法で省かれている代執行法の要件「その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるとき」は代執行そのものに内在する要件であるので、空家法においても代執行の要件は緩和されていないと考えることもできます。
 この点のについては、先例は先例として(学説は学説として)改めて、十分に議論されるべきだと考えます。
 なお、空家法14条9項の「行政代執行法の定めるところにより」とは代執行法3条以下の要件だけを指し、2条における代執行法の要件は含まないと考えられます。

【固定資産税の特例見直しが与える影響】
見直しはよいことですが、見直しに伴って「特定空家等」の定義が細かくなり、自治体ごとの「空家法の条例化」が難しくなることが懸念されます。

【代執行は補償不要。抵当権の存在は関係なし。】
この点を勘違いしている自治体も多いようですね。抵当権が設定されていても代執行には関係ありません。

38: 北法研 パピコ

2015/02/11 20:09:21 【空家法の代執行要件は本当に緩和されているのか】は大変重要だと思います。
私の頭の整理で間違っていないか確認させていただきたいのですが・・・

(パピコの整理)
行政代執行法の要件をそのまま適用すると
空き家の除却、修繕等命令を不履行→「そのまま放置した場合に著しく公益に反する」
ときのみ代執行の対象となる。
(命令の不履行で必ずしも代執行とならない)

空家法で代執行の要件が緩和されていると考えると
空き家の除却、修繕等の命令を不履行→行政代執行法第2条ではなく、
空家法14条9項の要件に該当すれば代執行の対象。
(極端な例ですが、命令の不履行で代執行へ移行)
(行政代執行法より代執行になる要件が広い)

もしも上記なら実務をする職員には本当に本当に大事なポイントです。
規制事務では命令をかけて相手が不履行でも「告発」や「代執行」までいかない
場合も多いです。(命令をかけても告発、代執行までは様子見で・・・)

しかし空家法で代執行の要件が緩和され、「命令の不履行」→「代執行」だと
命令をかけるのに慎重になる場合もでてくると思いますし、逆に慣れている職員なら
安易に命令をかけて、命令後に「代執行しなくちゃいけないの?」となる可能性も・・・
(法的な話でなくてスミマセン)

※謝ったついでに、ちょうど昨日発生した案件で、行政指導で
相手が履行の意思を示したので命令をかけずに履行完了を待っている
事案がありまして・・・
相手が履行完了しなければ、緊急に命令と代執行まで考えないといけない
内容なので、グッド(バット)タイミングで代執行の勉強ができました!!

39: くすのき

2015/02/12 09:11:36 パピコ様

ご指摘の点について。確かに重要なポイントです。
代執行の要件は、「①空家法の命令の要件+②代執行法の要件」です。
ですから、②が緩和されていても①の要件が厳しければ、結局、代執行の要件は緩和されたことにはなりませんね。
空家法の命令の要件(①)は、「(特定空家について、)特に必要があると認めるとき」ですから、ハードルは高いです。
代執行法の要件―「その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるとき」+「特に必要と認めるとき」ですから、答えは・・・・
プラスマイナスゼロで、結局「代執行法の要件=空家法における代執行の要件」ではないでしょうか。
 このような問題点は、立法者の意思と条文の客観的評価との齟齬の問題をはらんでいますから、是非、国の説明会などで確認していただきたいですね。

40: 北法研 パピコ

2015/02/12 21:49:13 なるほど!!
命令の要件が高ければおのずと命令を前提とする
代執行の要件も高く(同じに)なる。
空家法命令の要件「特に必要があると認める」をどのレベルに設定するかで
変わってくるということですね。

特定空家で勧告を受けても「特に必要が認められなければ」命令には
至らないこともある。(行政指導を継続する)
命令は特定空家の中でもさらに危険な(特別)特定空家が対象ということですね。
特定空家=命令の対象と考えていました。条文の読み込み不足でした・・・
(そういえば私の事務も違反対象物に対して、行政指導の継続で
次の担当へ先送りすることが多いです)

話は変わりますが、代執行に抵当権の存在は関係なし。
          ↓
「私法上の権利関係だけで、行政庁が行う公益上の代執行をさまたげること
はできない」ということですね。

今月のまとめ

2015/3/2

きちんと管理されていない危険な空家が放置されている問題(空家問題)が顕在化しています。
空家問題については、現在でも、建築基準法の規定により、都道府県知事が、当該建築物の除却、修繕等の必要な措置を空家の所有者に命ずることに よって、その解決が可能です。
にもかかわらず、都道府県は、当該命令を行うことに積極的ではありません。その理由として挙げられているのが、「著しく保安上危険(な状態)」 という当該命令の発動要件が不明確であり、権利侵害のおそれがあるので命令が出しづらいというものです。
  今回、成立した空家法における特定空家等(命令の対象となる危険な空家やその敷地)の定義には、やはり、「『著しく』保安上危険となるおそれの ある状態」(2条2項)という要件が付いています。
しかし、これは、立法上の不備ではありません。そもそも、多様な状態を呈している危険家屋の改善に「著しく」以上に詳細な法律の規定はなじまな いのです。法律はその目的を達成するための判断の一部を執行する者に任せているのです。
  今、空家法の制定によって、空家対策の主体は、都道府県から市町村に交代しました。私たち市町村職員は、空家法における「著しく」の要件を法執 行上の障害として捉えるのではなく、空家問題を解決するための有効な道具を与えられたのだと前向きに理解したいところです。
そして、主体性を持って空家法の執行に当たり、自らの手で空家問題の解決を実現しましょう。

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過去のコモンズ
法制執務の功罪
(最終更新:2017/10/04 15:56:05)
議会のしくみ
(最終更新:2017/07/30 20:30:02)
監査委員の役割
(最終更新:2017/05/09 23:14:37)
実効性確保の手法
(最終更新:2017/03/03 11:09:34)
規制条例の内容と活用
(最終更新:2016/12/22 12:54:07)
自治体債権の課題 
(最終更新:2016/10/19 17:06:56)
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附属機関の役割と問題点
(最終更新:2015/07/25 23:56:28)
「行政手続法・行政手続条例」
(最終更新:2015/06/25 20:30:06)
「財産(公有財産)管理」
(最終更新:2015/04/27 16:36:00)
「空家等対策の推進に関する特別措置法」への対応
(最終更新:2015/02/12 21:49:13)
(新)行政不服審査法
(最終更新:2014/11/04 18:48:10)
指定管理者制度
(最終更新:2014/10/04 05:09:40)
執行機関とその権限
(最終更新:2014/07/31 13:40:01)

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